三浦康二コーチ オレゴン世界陸上での様子を語る

    

 今年7月にアメリカのオレゴン州で開催された世界陸上。日本からも多くの選手が出場したなか、明大競走部競歩部門の三浦康二コーチもスタッフとして参加した。今回は現地での様子などについて三浦コーチに話を伺った。

 日本陸連科学委員会のメンバーでもある三浦コーチ。今回の世界陸上では、主に競歩の判定記録や対策に関する情報収集のためチームに同行した。現地での雰囲気について聞くと「場所が州都ポートランドから車で2時間かかる田舎のほうなのですが、それでもかなり観客がいて驚きましたね。まさに陸上競技の中心地という活気がありました」と語る。「今回はオレゴン大学のなかに会場となるスタジアムがありました。これまで行った世界大会では街全体がデコレーションされていたりしてお祭りみたいな感じでした。でもオレゴンではそういうのがあまりなくて、始まる前は正直『これホントにここでやるのかな?』と思ったほどです。それでもいざ始まってみると、人が集まってきて『本番が始まる!』みたいな雰囲気になっていきました」と大会の印象を笑顔で話してくれた。

 競歩では男子20キロで1、2位、35キロで2位と日本が好成績を収めた。その時の競歩チームの雰囲気について聞くと「前年のオリンピックが2位、3位という結果だったので金メダル獲れて良かったという話はしていましたが、あんまり大騒ぎという感じではなかったと思います。当たり前ですが、出場する選手全員が結果を残せるわけではありません。そうしたなかで結果が振るわなかった選手に対してもチーム内でのフォローというか、選手同士でのマナーみたいなものが伝わってきたのが印象的ですね」と中継などからは分からないチーム内での気遣いなどを話してくれた。

 2025年に東京での開催も決定した世界陸上。ますます注目を集める中で日本が世界と戦う上で必要なことは何か。三浦コーチは「戦う場所を見誤らないこと」だという。「今の強化委員長が東京五輪開催が決まった時に『東京は東京じゃなくなる。大会のレベルは東京ではない』と仰っていました。2007年の大阪世界陸上がそうだったんですが、ホームグラウンドゆえに大会のレベルを見誤ってパフォーマンスを発揮できない選手が多かったです。だからこそ、そういった世界レベルの戦いを経験できる場をどれだけ設けられるか。これを強化企画のなかで盛り込むことが我々の仕事だと思っています」。シンプルな話にも思えるが、世界クラスの戦いを何度も間近で見ている三浦コーチが話すには「例えば、世界陸上はグランプリシリーズともまた雰囲気がガラッと変わります。競歩でいったら調整期間に開催されて、8月の世界陸上にピークを合わせます。そこで勝ったからといって世界陸上でも上位にいけると思ったら全然そんなことないんです。対戦相手を見据えるというか、そういった計画性もないと痛い目見たりするのがトップレベルの戦いです」と話す。選手の実力はもちろん、ピーキングなどの計画性や意識付けなどから戦いを始めていくのが、世界の舞台なのだ。

【聞き手、書き手:金内 英大】

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