谷川真理さん 学生陸上選手へ向けて「視野をもっと広く」

 

 明大アスレチックマネジメント(以下、MAM)に理事として参加しているプロランナーの谷川真理さん。参加の経緯や、ランナーとして今後の陸上競技業界にどのような思いをはせているのか、詳しいお話を伺った。

 参加のきっかけを聞くと、園原健弘総合監督から声をかけてもらったという。1992年のバルセロナ五輪前、海外遠征で谷川さんのチームが練習する場所に、当時50キロ競歩の選手として出場が決まっていた園原監督が単身参加してきて以来、交流があると話す。「志が高く、挑戦する気持ちの強い方」と園原監督を評しながら「園原さんご自身も個人の力で自分の競技を続けてきた方です。だからこそ【人間力の教育】を掲げていて、私はそこに非常に共感しています」と明治大学競走部監督としての姿を見た印象を語った。

 MAMが軸とする【人間力教育】。西山春文副学長然り、ここにスポーツとしての価値を見出す人が集まるのがこの組織なのだろう。

 大学外部から理事に就いた谷川さんに明大競走部の印象について聞いてみると「八幡山で選手の練習を見た時、すごく大人な感じがしました」。詳しく聞くと「しっかりしているだけでなく、監督の話などをよく聞きながら、物事を一歩引いて見ている感じがしました」と話す。

 明大には体育会の学生だからといって、大会出場を理由に授業を公欠扱いする、といったような優遇はほとんどない。だからこそ文武両道で部活に臨む学生の真剣な眼差しは、プロスポーツマンにも引けを取らない。

 現役のマラソンランナーとして毎年多くの大会に出場している谷川さん。陸上競技に取り組む学生には「視野をもっと広く持ってもらいたい」という。「箱根駅伝を目指し出場を叶えた後、そのまま社会人になる人も多いと思います。そこで走ることを辞めずに、トレーニングで培ってきたものを活かして市民マラソンとか出てみると『意外と自分ってまだ走れるんだな』と思うはずので、それを味わってほしいですね。大会によっては賞品で海外のレースで走らせてもらえたりするので、大学卒業後もそういったところまで続けてほしいと個人的に思います」。この話のなかで「もったいない」と何度も口にしていた谷川さん。「箱根駅伝とかに出場できるレベルなら就職で地方に戻っても、マラソン教室みたいなかたちで教える側に立つことだってできるはずです。しかしどうしても、そういったことには面倒なことをたくさんこなす必要があります(笑)。だからこそ園原監督の言う【人間力】を若さのあるうちに鍛えあげれば、社会人になっても生かせる場面が出てくるはずです」。

 学生ランナーのキャリアの可能性を広げるためにも、スポーツを通した人間育成は欠かせない。”選手”としての側面より”学生”として陸上競技とどう向き合うか。その支援もMAMの目指す道だ。

 最後にこれからの陸上競技業界に対しての楽しみを聞くと「田中希実選手や三浦龍司選手のような、すごい走りを見せてくる若い選手がどんどん増えているので、そういった人たちが出てくるのはすごく楽しみです」。また「賞金レースが増えてくれるといいなと思っています。大学生とかにもオープンして、学生ランナーが参加してくれると大会のレベルも上がりますし、選手もモチベーションが上がると思います。バイトはできないですけど練習はできるわけですから(笑)」と笑顔で話した。

 一度競技から離れ、企業で働いていたこともある谷川さんだからこそ、陸上競技を続ける学生の将来を案じている。競技を続けていくなかで「自分は将来どうしていくべきか」を日頃から考えていくことも、学生にとって大事な人間力形成に違いない。

【聞き手、書き手:金内 英大】

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